私の大好きな
日本を代表する偉大な詩人
ナナオ サカキ さん
地球を家とし
宇宙を放浪する
人間家族の長老と
形容される
自由詩人
ラブレター
ナナオサカキ
半径 1mの円があれば
人は 座り 祈り 歌うよ
半径 10mの小屋があれば
雨のどか 夢まどか
半径 100mの平地があれば
人は 稲を植え 山羊を飼うよ
半径 1kmの谷があれば
薪と 水と 山菜と 紅天狗茸
半径 10kmの森があれば
狸 鷹 蝮 ルリタテハが来て遊ぶ
半径 100km
みすず刈る 信濃の国に
人住むとかや
半径 1000km
夏には歩く サンゴの海
冬は 流氷のオホーツク
半径 1万km
地球のどこかを 歩いているよ
半径 10万km
流星の海を 歩いているよ
半径 100万km
菜の花や 月は東に 日は西に
半径 100億km
太陽系マンダラを
昨日のように通りすぎ
半径 1万光年
銀河系宇宙は 春の花 いまさかりなり
半径 100万光年
アンドロメダ星雲は
桜吹雪に溶けてゆく
半径 100億光年
時間と 空間と すべての思い
燃えつきるところ
そこで また
人は 座り 祈り 歌うよ
人は 座り 祈り 歌うよ
Just Enough
これで十分
Soil for legs
Axe for hands
Flower for eyes
Bird for ears
Mushroom for nose
Smile for mouth
Songs for lungs
Sweat for skin
Wind for mind
Just enough
足に土
手に斧
目に花
耳に鳥
鼻に茸
口にほほえみ
胸に歌
肌に汗
心に風
これで十分
ナナオさんの詩は
手や頭で書かれたものではなく
足で書いたものである
これらの詩は
坐ることで生まれ
歩くことで生まれた
詩であって
知性や教養のためではなく
生のために
生きた生の軌跡として
ここにある
ゲーリー・スナイダー
何だか暖かくなる
何だか嬉しい
何だか慕わしい
何だか懐かしい
行間にある見えない空白から
伝わること
今は亡きナナオサカキさん
ありがとうこざいます